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( 2022/11/13 )


[2022/11/13] 【Special】岐阜・滋賀、1人宿泊旅行レポート (2/2)

2022年・秋、岐阜県と滋賀県をめぐる一人旅。
旅行1日目のレポートはこちら(前のページ)にて。


[2日目]


翌朝。

外がまだ薄暗いうちから目が覚め、その時は少し曇っていたが、
太陽が昇るとともに昨日に続き、きれいな青空が広がった。

ホテルで朝食バイキングを食べ、なかなかおいしかったが、
人が結構おり、おかわりをしに席を立って戻ってきた時に
別の誰かが座っていたのが少々ムカついた。
(根に持ってるぞ? ソイツの顔は忘れたが・・・。)

ともあれ、気持ちよく睡眠と朝食が取れた。出発。


旅行の2日目であるこの日は、
前日のレンタカー&アクティビティーとは打って変わって
歩き旅で「狭く・深く」町をめぐることにした。

ホテルを出てそのまま最初の目的地へ向かう途中、
歩道が植物のトンネルみたいになっている所があり、
その植物の蔓からは枝豆のようなものがぶら下がっていた。



で、その目的地というのは、大垣八幡神社。
のぼりをご覧のとおり、七五三の時期に参拝した。



大垣の市街地にあるこの神社には、ちょっとしたパワースポットがある。
それは、「大垣の湧水」と呼ばれる湧き水。



サイズは大きく、そのぶん一度に湧く水の量も多い。
夏にここで水でバシャバシャすればそりゃもう気持ちいいだろうが、
中秋を過ぎた少し肌寒い朝に、私はここの水で顔を洗いまくった!



その後は社殿で旅の無事を願い、神社を後にした。


ここから程近いところにある大垣公園で、しばらく時間潰し。
軽く散歩や体操をしてウォーミングアップしながら、9時になるのを待った。

そして時が経ち、この公園の周辺にあるスポットが営業開始したので訪ねた。


大垣城。



それほど大きくはないが、中に入ることができた。
城の中は博物館になっており、
関ヶ原の戦いの様子を再現したジオラマなどが展示されていた。



また、最上階の天守閣からは大垣の市街地を見渡すことができたが、
窓には網戸が張られており、何もないきれいな風景は拝めなかった。



・・・でも、コレはコレでアリか?
まるでモザイクがかかったように見えて、一種のアート作品のように見えなくもない。


道中、小さめの美術館にも立ち寄ったが、
監視員のオバサンが「写真撮影するな」とうるさいので、
こんなケチ臭い場所はさっさと出て行った。

私を怒らせたから晒しておくか。
「大垣市守屋多々志美術館」
二度と行かない。


おみやげ屋さんの「金蝶園総本家」も、
堅苦しいうえに少々どころではなくボッタクリ価格。
ビミョーなんだよなー・・・ 一応、金蝶園饅頭は6個入りのを買ったけど。


そこからわりと南のほうへ歩くと、「奥の細道むすびの地記念館」が見えてきた。
外観がきれいだったので入ってみた。



奥の細道といえば、松尾芭蕉。
この人は俳諧でその名をよく聞くが、彼は同時に旅人でもあった。

江戸時代の前期、電車やバスなどがなかったその時代に、
彼は(付き人がいたとはいえ)1人で凄まじい距離を踏破し、
山を登ったり、川を下ったりしたという。



芭蕉の句のひとつに、こういうものがある。

「草の戸も 住替る代ぞ ひなの家」



「草の戸」とは、草で作られた扉という意味ではなく、
長く住んで戸口が草で覆われたという意味。

自分はこれより長らく旅に出るので、
自分が住んでいたこの家を別の誰かが新たに住むことで、
ひな人形を祭れるほどきれいな家になってほしい
と、願った句である。

館内の中庭に展示・再現されていた、その「ひなの家」
おおよそこんな感じの家に、当時の芭蕉は住んでいたのだろうか。



このほか、「おあむ物語」なるものが紹介されていた。

詳しいことは・・・各自でググってほしい。
特に[このアニメ]を見ると幸せになれるかもしれない。



ちなみに、この博物館ではビー玉入りサイダーを飲んだ。
ちょっぴりリンゴの味がし、強烈な炭酸が口と腹の中で弾けておいしかった。


昼、JR大垣駅を北方向へまたいで
地元のショッピングモール「アクアウォーク大垣」を訪ねた。



当初はここで何か追加でおみやげを買う予定だったが、
ここまでにおみやげをそれなりの数買っており、それで十分だと判断したので、
とりあえず来訪記念にとウィンドウショッピングだけを楽しんだ。

現地の人たちにはちょっと申し訳ないが、
大阪や京都の都会を知っている私から一言だけ感想を言わせてもらおう。

正直、イオンモールの劣化版だった。

もちろん、断じてアクアウォークがショボイというわけではなく、
あれはあれで地域の生活に必要なものだから、それでいいのだ。


大垣駅から電車に乗り、西方向へ。
岐阜から滋賀。東海から近畿へ向かった。

きれいな水の里は、湧水のある大垣だけではない。
滋賀県の北東部、米原(まいばら)市にある醒ヶ井(さめがい)も清水の里。

ただし・・・・・



かつて営業していたのだろう道の駅はすでに閉館し、
町全体も寂れていた・・・。

ここは、中山道醒井宿。
江戸時代に存在した由緒正しい宿場町なのだが、
今はただその地に暮らす人々の日常生活がありのままに存在するだけだった。



自然の湧き水が流れる用水路。
民家が立ち並ぶその通りの一角には小さな水車が回り、
西に傾きかけた日の光を受けて輝いていた。



その水質は、世界でも珍しい
梅花藻(ばいかも)という水中花が咲くほどにきれいだった。



この通りには、「久保田呉服店」という一軒の小さなお店があった。
人のよさそうなおばあちゃんが営むそのお店で、
私は米麹ドリンクをいただいた。漬物が付いて200円。



つぶつぶ感もさることながら、いい感じに甘みがあって美味しかった!

このお店、呉服店と銘打ってはいるものの、
何も知らない旅人からすれば田舎の軽食屋さんに見える。
かつて、テレビ番組でも紹介されたことがあるというが・・・



立地が悪かったのか、観光客はそれほど来なかったようで、
結局は寂れてしまった。。


そして、道の一番奥にある、居醒の清水(いさめのしみず)。
この湧き水のすぐそばにある、大きな石の鳥居。



ここをくぐって30段ほど階段を上りきると、
秋の山里の風景がただ広がっていたのだった・・・。



ちなみに、この神社の裏手は高速道路。
車の音は防音壁越しに小さく24時間聞こえると思われるが、
高速道路のドライバーからはここ醒ヶ井の風景は見えない・・・。

歴史の波に埋もれそうな感じのする場所であった。


夜になって京都まで戻ってきた。
そして、たわむれに見慣れた京都のおみやげを眺め、
その時に関東のアクセントでしゃべる観光客の声が聞こえてきた。

その時、私は思った。



やっぱり、旅は京都が一番だな! と。(ちゃっかり京都のPRをしている)


[あとがき]


いやー、楽しかった!!

ほぼ4年ぶりに宿泊旅行をしてみたけど、
日帰り旅行とは違って時間に余裕をもって行動できるし、
日帰りでは行けないような遠い所にだって行ける。

まあ当たり前っちゃあ当たり前なんだけど、
その当たり前のことがここ長いことできなかったからねぇ・・・

パソコンやスマホで現地の写真や動画を見るのと、
実際に自分の足で現地の風景を見るのとでは、ドキドキワクワクの度合いが段違い!
それはもう言葉にはできない感動ですよ。
なんつーか、体で感じる、って感じ?

知らない道を歩き、ドライブする。
見るだけでなく、ご当地グルメを味わい、人々と触れ合う。
宿では現地のローカル放送を見たり、ラジオを聴いたり。
心と体で空気を感じるんだわ。

そしてそれが思い出となって一生涯記憶される。

やっぱり人間はね、旅をする生き物なのよ。
長いこと旅をしないでいると、体が旅を求めるようになる。
こうして旅をすることで、自分は一回り大きくなるのだ。


これからもまた機会があれば、こういう一人旅をしてみようかなと思う。
もしできれば・・・だけど、1名でも宿泊可能な宿坊や旅館があれば泊まりたい。
ビジネスホテルやアクティビティーももちろんいいけど、
今度は温泉や料理を重視して、まったりと過ごしてみたいと思っている。

ま、予定は未定だけどね。


というわけで、長くなりましたが
今回は2ページにわたって、岐阜・滋賀の2県の宿泊旅行一人旅レポートを書き記しました。

みなさんも、良い旅を!



2022年秋 吉日 ふかもこ