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( 2023/02/19 )


[2023/02/19] スイスポ、86。2台のMT車を乗り比べた感想。+α

とある冬の2日間、私は
  • スズキ・スイフトスポーツ(スイスポ/2代目)
  • トヨタ・86(ハチロク/最新式)
合わせて2台の車を、MT(マニュアル・トランスミッション)でレンタカーし、
それぞれ丸1日ずつ自由に運転してきた。

借りたレンタカー屋さんは、
前者は格安レンタカーで、後者はトヨタレンタカー。

車両自体のレンタル料金は両者で倍ほどの差があったが、
果たしてそれに見合ったものだったのか?

これを、クルマの写真も一緒に掲載し、
私個人の主観に基づいてレビューしていきます。

ついでにおまけでドライブ先の風景写真も少しだけ追加。


[INDEX]
  1. スイフトスポーツ(2代目)
  2. トヨタ86(最新式)
  3. [おまけ]風景の写真


1. スイフトスポーツ(2代目)


まずは、スズキ・スイフトスポーツから。

格安レンタカーということもあって、借りた時点ですでに走行距離は12万kmを超えており、
車体にキズがあったり、ハンドルやシートの一部が剥げていたりした。

また、年式も古く、スイスポとしては2代目のものだった。

と、まあそこは中古車で回している格安レンタカーだから目を瞑るとして・・・


外観は、およそ下の写真のような感じ。



運転席は、だいたい下のような感じ。
ハンドルの左側にはフロアシフト形式でMTのだるま型シフトノブがあり、
足元にはしっかりとアクセル、ブレーキ、クラッチの3ペダルが並んでいる。





シフトパターンは、標準的なH型の5MT。
古い車だからか、ギアは5速までで、6速は存在しない。




さてこのクルマ、じつは私は何度か同じレンタカー屋さんで借りたことがあり、
借りるたびに走行距離がだいたい2万キロずつ増えていっているのを見ている。
今ドキにしては結構人気があるのかな?
MT車を借りられるお店自体が希少だからね・・・

だもんで、このクルマにはそれなりに愛着があり、
クラッチワークも乗れば体が自然に思い出す。

でも、長距離乗られているということは、
それだけクラッチ板がすり減ってきたということ。
元からあったのだろうクラッチ板だけではクラッチを維持できず、
そのためか、いわゆる強化クラッチが仕込まれていた。

強化クラッチとは何ぞや?? という人は各自でググっていただくとして・・・

強化クラッチが使われているので、クラッチペダルが重い重い。。
MT車は必ずクラッチペダルを多用し、
特に発進時には半クラッチといって左足でクラッチペダルを微調整する。
ペダルが、ある程度やわらかければ半クラッチもしやすいのだが、
強化クラッチだと途端にそれがしづらくなる。

何と言えばいいのか・・・、
まず、左足でクラッチペダルを一番奥まで踏み込む。
次に、左足の踏み込む力を少しずつ緩めていき、クラッチペダルを戻していく。
しかし強化クラッチの場合、クラッチペダルが戻っていく時の力が強い。
そのため、半クラッチを維持するために
より大きな左足の脚力が必要になるのだ。

この操作を何度もやるので、そのうち左足が筋肉痛になってくる・・・。

私の場合は比較的脚力があるほうだからいいけど、
特に女性の方など足のパワーに自信がない人にとっては
正直なところ、ある意味拷問に近い。


ただそれでもこのスイスポには何度も乗っていたこともあって
公道では一度もエンストすることはなかった。

・・・エアコンをかけてエンジンの回転数を上げてエンストしにくくする
という裏技は使ったけどな!

また、仮にもスイフト「スポーツ」と名乗るだけあって、
加速はパワーがあり、上り坂でも
AT(オートマ)車に引けを取らないほどには十分速度を出せた。
ことに山道ではキビキビと走って気持ちよかった。

とはいえ、古い車であることに変わりはなく、
新しめのMT車なら標準搭載しているであろうヒルアシスト機能なんてものはなく、
坂道発進は自分のテクニックでカバーするしかない。

しかしながらそのぶん、
私個人のクルマを使った娯楽である「駐車場遊び」は楽しめた。
「駐車場遊び」についての詳細はここでは省略させていただくが・・・
その一部として、山の中の駐車場など、人がほぼいない平らな広い場所で
前進とバックを繰り返したり、
クラッチワークだけで徐行してみたり、5速発進を少しでも成功させたり。
さらには坂道では、上り坂でサイドブレーキやエアコンなしで前進するほか、
車そのものを反対方向に向けて、下り坂でバックで逆坂道発進をしたりする。

そしてMT車は坂道では、
ブレーキペダルから足を離すとクルマが下り方向に移動していく。
ヒルアシスト機能があればここで1、2秒ほどの間は
一時的にブレーキがかかってクルマがその場で止まってくれるが、
このスイスポにはそれがないので、すぐに坂道を下ろうとする。

そこで、「ゆりかご」という遊びができる。(私独自の遊び方だが。)
「ゆりかご」とは、ヒルアシストのないMT車を坂道で
上らせたり下らせたりする。
まずは発進してクルマを少しだけ上り方向に動かし、
クラッチもブレーキもアクセルも踏まずにクルマが止まって坂を下ろうとした時に
素早く半クラッチにしてアクセルも一緒に踏む。
すると、再びクルマが坂を上ろうとする。

その様子が、傍から見ればまるでクルマが揺り籠のように前後に動いているように見える。
それが、「ゆりかご」という遊びなのだ。

・・・と、半クラッチをフルに練習、上達させることができた。


ちなみに日没時、ヘッドライトを灯けるとこんな感じになった。



元からこんな色なのか、レンタカー屋がカスタムしたのかは知らないが、
遠くからでも見やすい白色LEDライトが使われていた。


今回、このクルマで走った距離は145km。消費した燃料は10.96リッター。
よって、燃費は、145km ÷ 10.96L = 約13.2km/L
となった。

燃料はレギュラーガソリン。スイスポはコンパクトカーだからまだ財布には優しいほう。
ただし、強化クラッチであり、冷却水がなかなか温まらない冬場。
燃料も、クラッチが粘りやすいディーゼルではなかったので、
総じて運転の難易度は高めだった。


2. トヨタ86(最新式)


続いては、トヨタ86(ハチロク)。

こちらは大手トヨタレンタカーで借りたものだけあって
カーナビは標準で搭載されており、もちろん清掃・整備もきっちりされていた。

一応便宜上、この記事の項目としては「トヨタ86(最新式)」と書いたが、
ネットで調べたところ、大昔のリトラクタブルライトの「AE86」はともかく、
それ以降の「86」については年式による見た目の変化がほぼ同じようなので
具体的なバージョン(年式)は分からず。
大手レンタカーということでとりあえず「最新式」と記述した。


外観は、およそ下の写真のような感じ。



さらに最接近して車の外観を撮影すると、こんな感じに・・・。



スポーツタイプの車なので、背は低く、大人の目の高さよりも下の位置に天井があった。

ただ、マツダ・ロードスターや、ホンダ・S660などとは違って、オープンカーではない。

とはいえ、真横から見れば、まさにスポーツカーである。



運転席は、だいたい下の写真のような感じ。
これも上述のスイスポと同様、だるま型のMTシフトノブに、
足元にはクラッチを含めた3つのペダルが並んでいる。



シフトパターンは、1〜6速までは標準的なH型。
バックは1速の左上にあり、停車した状態でシフトノブのリングを上に引き上げながら入れる。



この車のヘッドライトやスモールランプは、白色LED。
ライトを灯けた時、運転席のメーターが鮮やかな赤色に光る。

通常、車のメーターといえばスピードメーターが一番大きいはずだが、
86の場合はタコメーターが最も大きく中央にあり、
スピードメーターはその左側に配置されていた。



ちなみに上の写真を御覧のとおり、一応このクルマ、
スピードは260km/hまで出せるらしい。。
それでもデジタルではなく、針によるアナログ形式で表示されているので
加減速のペースはつかみやすい。



というわけで、この車を借りて自由に市街地や山の中を走ってみた。
ネット上の各種レビューサイトでは「運転してて楽しい」とか「燃費が悪い」
との評判を見たが、果たして私の場合はどうだったのか?

結論を先に言うと、楽しい!!
でも、普段使いで乗るような車ではない。

スポーティーな車だけあって、アクセルを踏んだ時の加速は素晴らしく、
レンタカー屋さんを出てしらばくの間は、
ギアチェンジするたびにロケットのように進んでしまうことがよくあって正直怖かった。

いつもはコンパクトカーや軽自動車を借りているので、
そういった車はそれほどパワーがあるわけではない。
それと同じような感覚でアクセルを踏むと
思いがけず一気にバビュン!と車が進んでしまうのだ。

けれど、慣れてしまえばどうってことはない。
そのうちアクセルも上手く扱えるようになり、
最初のうちは大きかった変速ショックも、ある程度は抑えられるようになった。

近年のMT車といえば、坂道でも1、2秒ほど自動的にブレーキがかかって
勝手に車が坂道で動かないようにしてくれる
いわゆるヒルアシスト機能というものが搭載されているものだが、
この86にはそれがなく、坂道でブレーキを離すと
即座に傾斜に沿って車体は転がっていく。

そのためか道中、何度かエンストしてしまったが、
そこは最終的に自身のテクニックと根性でなんとかカバーした。


もちろん、この車もMT車である以上、
私個人のMT車を使った大切なイベント「駐車場遊び」は欠かさない。
バックの逆坂道発進のほか、6速発進も成功させた。


なお、帰り道はまさかの「悪夢」が待ち受けていた・・・・・。

それは、車が故障したとかそういうのではなく、
上り坂で長い渋滞に遭ってしまったのだ。

私の前を走る車は、きっと・・・いやほぼ100%オートマで
上り坂の信号待ちをものともせずゆっくりと静かに、そして確実に発進していき、
後ろの車は、こっちがMT車であることを知ってか知らずか、
上り坂でも車間距離を詰めて停車しやがった。

緊張度MAX!! という中で、私は何度も坂道発進を繰り返す。
ただでさえ86はエンジン音がうるさいから、
坂道で一瞬後退しながらアクセルをふかしていれば
そりゃあ、この車はMTだなと一発でわかるだろうよ。

幸か不幸か、その上り坂の途中で大型トラックが私のすぐ後ろに入り、
私が止まった時には大きく車間距離を開けてくれた。
この時はもうそのトラックの運ちゃんには頭を下げましたわ。
やっぱりプロにはわかるんだーねぇ。。

あれはもう拷問だったよ。。いやマヂで。



今回、このクルマで走った距離は165km。消費した燃料は11.3リッター。
よって、燃費は、165km ÷ 11.3L = 約14.6km/L
となった。

燃料は無鉛プレミアムガソリン。つまり、ハイオク。
86ほどの高級なスポーツカーともなれば、使う燃料からして金食い。
ただそれでもロードスターに比べれば、ルーフのオープンがないとはいえ
あっちよりもかなり安く借りることができた。

何より、ドライブ自体がとても楽しかったし、
驚いたのは、このクラスの車にしては意外と燃費が良かったことだった。

当初の自分の予想では、リッター10キロも行かないだろうと思っていただけに、
上記のとおり、ハイオクではあるがリッター14キロも行ったのは見事だった。
さすが天下のトヨタ! といったところか?


3. [おまけ]風景の写真


おまけで、ドライブ先で撮影した写真たちを掲載しておくね。

上述の2台のクルマは、それぞれ別の日に乗ったものだが、
そのうちの後で乗ったほうは、86。

じつは、先に乗ったスイスポの時に撮影した旅の写真は
2つ前の記事に一部だがしれっと掲載していたりする。。

その時はまだ86には乗っていなかった。
なので不足分、つまり、86の時に撮影した旅の写真をここでちょっと掲載しておきます。


2023年2月/京都府木津川市/綺原神社(かんばらじんじゃ)
社殿。祭りの時期なのだろうか、大きな提灯に明かりが灯っていた。



2023年2月/京都府木津川市/綺原神社
社殿の右側にある6つの小さな拝殿。中央には神酒が祀られ、ろうそくには明かりが。



2023年2月/京都府木津川市/綺原神社
同じ京都の北野天満宮もそうだが、牛には何か不思議なご利益があるのだろう。



2023年2月/京都府木津川市/蟹満寺(かにまんじ)
綺原神社のすぐお向かいにある、小さな寺。
ここには、赤いニット帽をかぶって冬の寒さに耐える地蔵さんがいっぱいいた。



2023年2月/奈良県月ヶ瀬村/月ヶ瀬梅渓
月ヶ瀬には、遅咲きの梅の花が咲く広大な梅林がある。



2023年2月/奈良県月ヶ瀬村/月ヶ瀬梅渓
まばらに咲いている紅梅。この時はまだちょっと来るのが早かったようだ。



2023年2月/三重県伊賀市/島ヶ原温泉やぶっちゃの湯
私のお気に入りのスーパー銭湯。
高台から眺める野山の風景は、冬でもなかなか美しい!





・・・とまあ、こんな感じでこの毒電波コーナーでは
当ページまで3ページ連続で単独の大きな記事をそれぞれ
写真もたっぷり交えて書いてきたが、それはいったんここで終わりにします。

次回から(もしかすると次回だけ?)、しばらくは通常どおり、
私個人の雑談や、ネットでネタを拾っては適当に何かコメントを書いたりしていこうと思う。



というわけで、これからもよろしくお願いします。