_213
( 2021/08/11 )


[2021/08/11] 初エニカ! S660ドライブレポート

(※この記事は写真がたくさんあります。文章も超・長文。ご注意。)

夏の連続レンタカードライブ・第3弾! いよいよ最終回。
観光を度外視。ドライブに特化!
今回は、個人間カーシェアリングサービスの「Anyca(エニカ)」というものを初めて利用してみた。

個人間カーシェアは、タイムズなどの企業のカーシェアとは異なり、
利用する車の所有者は会社のものではなく、一個人のものである。
一般的なレンタカーやカーシェアでは扱っていないような
珍しい車種を持っているオーナーさんもおり、
そういった車を借りて実際に運転できるのが魅力だ。



自宅から電車で片道1時間強。
奈良県のとある場所で、私はオーナーの方と出会い、
そこで今回運転する車・・・ホンダ・S660の受け渡しの手続きを受けた。

生まれて初めてのエニカというわけでかなり緊張していたが、
オーナーさんは車の説明が丁寧で、それだけでも自分の車に対する愛情がしっかりと伝わってきた。
ただ、S660という車自体が結構特殊な車なので、
どうしても説明が長くなったようで出会ってから出発まで少々時間はかかったが、
手続きもおおむねスムーズに進み、いよいよドライブスタート! となった。



それで、借りたS660というのが、これ。色は真っ赤。



軽自動車ではあるが、明らかにどう見てもスポーツカー。
しかも天井のルーフを開閉できるオープンカーである。

ここで一度、ナンバープレートの左側にある、ひらがなに注目。



「わ」「れ」ではない!

レンタカーやカーシェアの車は、ひらがながそのどちらかになっているものだが、
エニカは個人所有の車を貸し出すサービス。
だから、ナンバープレートもそれに準じているのだ。



今回はドライブに特化したから、S660のことを写真付きでどんどん書いていくよ!



で、車の外観は上の写真のとおりだけど、
インテリアはどうなってるのかというと・・・



かっこいい!!

でも、よく見ると、レンタカーには通常付いてないようなものが付いてたりする。
運転席周りだけでも、例えばハンドルの左にスマホのホルダー兼充電器があったり。
しかし、カーナビは付いていなかった。

シフトノブの形からお察しのとおり、MT車である。
ペダルは右からアクセル、ブレーキ、クラッチ。しっかり3本並んでいる。



軽でありながら、6速まである!
バック(リバース)は右下というシフトパターン。



ロック機構はなく、バックに入れる時に
ノブを押し込んだり、リングを引き上げたりする必要はなかった。
まあそのぶん、前進中もバックに入る恐れはあるので、そこは気をつけなければならないが・・・。



それにしても、背が低い小さな車だねぇ。



いやいや、断じてバカにしているわけではない。
私は男にしては身長は低いほうだが、
それでも車のすぐそばに立って自分の目線の高さで撮影すると、
上の写真のような感じになった。

しっかしメーター周りがカッコイイ!



エンジンをかけた直後は、メーターの針が全部最大までビュン!と上がり、
それだけでも毎回ワクワクする!

ライトを付けている時は、運転席と助手席のドアの内側の下に
「S660」と書かれた文字が白い光によって浮かび上がった。





こうして、興奮度MAXでドライブしまくったんだけど・・・

じつはこの日、台風が来ており、
天気が不安定で晴れたかと思ったらいきなり雨が降ったりもした。

ただ、私の祈りが通じたのか、時間とともに次第に雨は収まり、
雲の合間から青空が見えることも多くなっていった。



やがて空は晴れ、念願のオープンカーの醍醐味を満喫する時が来た。

ルーフを外し・・・



車の中にまで太陽の光が差し込んで、運転席はとても良い感じに明るくなった。



ただこのS660、ルーフの開閉は手動なんだよね・・・。
コペンは以前に乗ったことがあるんだけど、
コペンの場合は自動でルーフを開閉できた。

さて、S660のルーフ。
何個かの段状になっており、一度車から降りて
左右のドアを開けた状態で巻き取るようにして外すというものだった。

それで取り外したルーフは、持ってみるとずっしり重い。



これをどこに収納するか? 後ろ?
いや、違う。正解は、前。



ボンネットを開けると、多くの車の場合はエンジンルームなのだが、
このS660は車の前方にルーフの収納ボックスがあったのだ。



では、エンジンはどこにあるのか?
じつは、車の後部にある。



そして、このエンジンがまた高性能で、車を走らせるとそれがよーくわかる。

アクセルペダルをある程度踏み込み、その後でアクセルから足を離すと
「パシューン!」と、すごく気持ちいい音がするのだ!

特に、上り坂でシフトアップする際にアクセルを離す時によく聞ける。

この車、典型的なスポーツカーだから、
座席はフロントの運転席と助手席の2シーターだけで、リヤシートは無い。

だから、運転席の右側のドア脇にある電動ミラーのスイッチも2つしかない。

・・・のだが、妙な位置にもう1つ別のスイッチがある。
下の写真のピンク色の丸で囲ったヤツがそれ。



これは、じつはフロントの2シートの真後ろにある
小さな窓を開閉するためのスイッチだった。



先述の「パシューン!」の音は当然、後ろのエンジンから聞こえてくる。
それを堪能するために、お誂え向きにこんなものまで搭載するとは。
さすがはホンダ。遊び心がある!



ほかにも、バックミラーの横に小さくドライブレコーダーが取り付けられていた。



これは通常、レンタカーでは見ないタイプのもの。
おそらくではあるが、この車のオーナーさんが独自に取り付け、
自分の車が正しく利用されているかどうかを確認するために装備しているものと思われる。



ここからは、しばらく私個人のMT車への熱い想いを書き綴ることにする。
なるべく短くまとめるよう努力してみるが・・・・・



えっとね・・・、私は、車の免許は通常版で取った。つまり、AT限定ではない。
でも、教習所を出てからというもの、MT車は全く運転したことがなかった。
その状態が20年間ほど続いた。

ところが、この記事を書いた2年くらい前から急にMT車に乗りたくなった。
ただ、いきなり公道を走ったのでは、エンストするのが怖い。
そこでMT車の運転感覚を取り戻そうと、
教習所のペーパードライバー講習や、ディーラーの試乗に足しげく通い、
少しずつMT車に慣れていった。

そして去年の終盤くらい・・・、運転した実時間にして延べ20時間くらいで
ようやく体が勝手に動くようになったのだった。

もうちょっとわかりやすく言うと、
最初のうちは頭で半クラッチをどうしよう? と意識しすぎて運転していたのが、
しだいに左足が自然にクラッチのミートポイントを探すようになり、
これと連動して同時に右足が適度にアクセルを踏むようになったのだった。

まあアレよ、マニュアル車も慣れれば都、といったところよ。
慣れて自分で好きなギアを選んでいろんな道を走るのは、本当に楽しい!!



・・・以上。うまくまとめられただろうか?



ちなみに、今回のドライブは観光が目的ではなかったが、
一応、奈良県月ヶ瀬村にある小さな神社と遺跡には立ち寄っておいた。





子供たちは夏休みだけど、こんな山奥だし、
しかも直前まで台風が出ていたので、来る人は誰もいなかった。



ついでに、今回初めてエニカを体験したので、その感想も書いておこう。



まず、スマホと自分名義のクレジットカードが必要。
スマホにエニカのアプリをインストールし、乗りたい車を探す。

ここで、もし企業のレンタカーやカーシェアであれば
さっそく予約ボタンを押すところなんだけど・・・

エニカは個人間カーシェア。相手はレンタカー会社とかではなく、個人。
だから予約する前に必ず、アプリで連絡を取る必要がある。
これを怠ると、まず弾かれてしまう。

連絡のチャットを打つ前に他のドライバーたちのレビューがあれば、
先にそれを読んで、そのオーナーさんの人となりを知ると良い。
それで「ああ、この人なら信用できそうだな」と感じたら、
そこで連絡のチャットを打つのだ。

下の画像のような感じで。



「こんにちは(or はじめまして)。
 ○月○日の9:00〜18:00にこの車を利用させていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」

といった感じでコンタクトを取る。

すると、オーナーさんからチャットで返信が来るので、
OKが出たら、そこでようやくリクエスト予約に入ることができる。
その後、オーナーさんが予約を承認することで、その予約が確定する。

車の利用料と保険料は、予約が確定した時点でクレジットカードから引き落とされる。



そして当日、オーナーさんが指定した場所で待ち合わせ、
そこで実際に対面して車の受け渡しの手続きが始まる。

その時の様子は・・・・・ まあ何というか、一種の面接のようなもの。

初対面の人と顔を合わせるので、こういうのに慣れていないと多少はドキドキしてしまう。
でも、こちらはお金を払って利用するドライバー。
お客様なので、全く怖気づく必要はない。

オーナーさんは車体の傷のチェックなどを一緒に見て回ったりすると同時に
こちらの対応の良し悪しなども見てきたりするが、
こちらも同じように相手の対応や、これから乗る車の状態などをしっかり見ることができる。

面接で言うなら、オーナーは面接官で、ドライバーは面接者。
オーナーがドライバーを面接すると同時に、ドライバーもまたオーナーを面接しているのだ。

まして個人対個人のやり取りだから、気楽に行きつつも、お互いに失礼のないようにしたい。



やがて車の返却時間が近づいてくるが、その時にもチャットは入れたほうがいい。
予定の時間よりも遅れてしまいそうになったり、逆に早くなりそうになったり。
あとは定時に戻る場合でもチャットを入れるべき。



返却場所は、だいたいオーナーさんの自宅の近くであることが多いので、
早めに連絡を入れてあげれば、オーナーさんがその時刻に駆けつけてくれる。

車のカギを返し、一緒に車の傷を確認したところで、カーシェアの利用は終了となる。



・・・以上が、エニカの体験談 兼 チュートリアルみたいなもの。

いやー、ホント ドキドキしちゃったけど、実際にやってみると結構楽しい!
レンタカー会社とは違い、車に対してより一層気を使う部分はあるものの、
人間味があるというか、お互いに車やドライブを愛しているのは同じだから
クルマの話題になると自然に盛り上がる!
まあ、何でも経験することが大切だーね。



なお、今回乗ったS660のドライブでは152kmの距離を走り、
ガソリンスタンドでは、8.06リットルのレギュラーガソリンを入れた。

つまり、燃費は・・・

152km ÷ 8.06L = 約18.9km/L

と相成った。

車の利用料(・・というか、エニカの強制加入の保険料3000円)は高かったが、
MT車(6MT)のオープンカーを、晴れた空の下、オープンの状態にして走る
という、私の長年の夢がここに実現した!
なので、お値段以上の価値は十二分にあったよ。



ひとつ記事をご紹介。

S660はCVT(AT)でも十分楽しいよー!
というレポートを書いてらっしゃる人を見つけたから、
そちらも合わせてお読みいただければ参考になるかな、と。

S660レンタル記 インプレ編 (KEI's SAFEHOUSE)



今年の夏のドライブシリーズは、これで全て無事に終わり、大満足した!
当面は新たに車に乗ることはなく、旅行は電車とバスで行くことになると思う。

また、私自身、ドライブといえばたいてい山道をよく走るので、
ペダル周りを中心にどうしても足元が汚れてしまう。
今回借りたS660のオーナーさんは、私と違ってキレイ好きだったようで、
そのへんの汚れを指摘され、
エニカのアプリではクルマの利用に対する評価が減点されてしまった・・・。

これは反省点。

でも、思えばそれは私も同じか。

タイムズのカーシェアでは、逆に前の人が車を汚してしまっていたら
「うわ、何コレ・・・」ってなるし、それと同じようなものだね。たぶん。



というわけで、今後の車の利用について身の振り方を整理すると・・・
  • 基本は、大手レンタカー。
    料金は少々高いが、整備と清掃がしっかりとされ、安心感がある。
    そこそこは汚れても大丈夫だから、私のようなズボラなドライバーでも気兼ねなく利用できる。

  • MT車は、大手レンタカーには無いことが多いので、その場合は格安レンタカーか、エニカ。
    しかし、傷や汚れのチェックが大手レンタカーよりも厳しく、
    私のような性格の人は注意が必要。
    まあ、格安レンタカーならば眼力で押し通すけどな。(笑)

  • どうしても乗りたい特定の車がある場合は、エニカ。
    MTのオープンカーとか、電気自動車とか。
    そういうのに乗りたければ、多少遠征してでもエニカを使うしかないだろう。

という感じになりそうだ。



--------



ものすごい長文になりましたが、
以上をもちまして、今回のドライブレポートを終了します。
最後の最後まで御覧いただき、誠にありがとうございました!